サステナビリティ領域の求人探しのポイント解説

サステナビリティという言葉が広く普及し、サステナビリティ領域に転職を検討されている方もおられると思います。
日々、転職活動のご相談に乗っている中で、候補者の方の「社会貢献性の高い仕事を見つけたいけど、なかなか見つけられない。」というお声をよく耳にします。
詳しく伺うと、検索エンジンに「サステナビリティ×求人」「サステナビリティ×転職」などを入力されているようです。
もちろん、この方法でご自身の志向にフィットしご経験が活かせる求人に辿りつければよいのですが、うまくいく方ばかりではないようです。
それでは、どのように考えればよいかを解説していきます。
サステナビリティという言葉の解釈の幅
サステナビリティ、日本語に訳すと“持続可能性”ですが、Sustainable Development(持続可能な開発)という言葉を考えると分かりやすいかもしれません。
持続可能な開発(Sustainable Development)|外務省
SDGsの17のアジェンダをご覧頂けると分かるように、サステナビリティとは、平たく言えば、地球環境を傷つけず、人もその他の生物も幸せに、未来に向かって持続的に生活出来る環境を担保しようとすることと解釈して良いと思います。
企業経営とサステナビリティを考える時に、重要となるポイントがESGという概念です。
最近ではESG投資という言葉を聞いたことがある方もおられると思います。
Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の頭文字を取った言葉です。
以下に配慮した経営を行うことで、将来への持続性を担保出来る、逆に言うと以下を軽視し、環境に害を与えたり、人権を軽視したりすることで、レピュテーションが棄損するなどし、企業が持続的に事業を継続することが難しくなることが想定されます。
Environment(環境)
- 気候変動への対応(CO2排出削減、再生可能エネルギーの利用など)
- 資源の効率的な利用(水資源、エネルギー、廃棄物管理)
- 生物多様性の保護など
Social(社会)
- 労働環境の改善(安全性、ダイバーシティ推進)
- 人権の尊重(児童労働や強制労働の排除)
- 地域社会への貢献(地域経済の活性化、コミュニティ支援)
Governance(企業統治)
- 透明性のある経営(情報開示、コンプライアンス)
- 取締役会の構成(独立性、多様性)
- 株主の権利保護
企業のサステナビリティ担当はこれらのアジェンダに気を配り、改善(自社工場のCO2削減、健康経営への取り組みなど)と開示(統合報告書やサステナビリティレポートなど)を繰り返します。
そしてステークホルダーズ(投資家、顧客、従業員、地域社会など)と対話し、また改善を繰り返すという一連の工程を主導します。
また、サステナビリティコンサルタントはこれらの企業の一連の工程を最新の知見をもとにサポートします。
「サステナビリティ×求人」などのキーワードで検索すると、企業経営のサステナビリティに関する、企業のサステナビリティ担当やサステナビリティコンサルタントの求人がヒットすることが多いのかもしれません。
サステナビリティについてのキャリアを考える際に、企業経営のサステナビリティはもちろん、地球環境、つまり人や多くの動植物を含むこの世界のサステナビリティに貢献したいという方も多くいらっしゃるのだと思います。
SDGsには「貧困をなくそう」や「質の高い教育をみんなに」や「気候変動に具体的な対策を」などの具体的なアジェンダが並んでいます。
これらに取り組む企業を見つけるには、サステナビリティというキーワードではなく、「教育」や「気候変動」などのキーワードで求人を探していくのが良いと思います。
転職エージェントの活用方法
求人を見つける一つの手段として、転職エージェントの活用があります。
サステナビリティ領域にご関心をお持ちということは、何らかのかたちで社会に貢献したい、社会を良くしたいという想いをお持ちなのだと思います。
ただ、サステナビリティ領域の転職や求人に関する情報については、まだまだ十分に整理されておらず、ご自身がどのような領域で貢献したいのか、どのような企業や求人があるのかを一人で探すことについては、難しい側面がございます。
また、取り組みたいサステナビリティに関するテーマに対峙している企業であっても、その企業の風土やカルチャーは指揮命令がトップダウンなのか、ボトムアップなのか、ドライに数字を追求するのか、情緒的な価値も大切にするのか、なども様々です。
風土やカルチャーがマッチしてこそ、ご活躍頂けるものと当社は考えております。
また、当社からご転職された方の中には「自分が想像していた転職先ではなかったけど、とても充実して仕事に取り組めています。」といったお言葉を下さる方が多くいらっしゃいます。
これまでご自身が想定していなかった企業との接点を持つことでの新たな気づきを得る機会を持つお手伝いを当社にさせて頂けないでしょうか。
是非、当社の転職支援サービスにご登録下さい。
当社代表の高藤が小笠原由佳さんとの対談をさせて頂き、サステナビリティ領域のお金の流れやキャリアについてお話を伺っております。
是非、以下もご視聴下さい。
キャリアと哲学対談 #2 「サステナビリティとキャリア」(前編)
~インパクト投資とは?~
キャリアと哲学対談 #3 「サステナビリティとキャリア」(後編)
~社会性を軸としたキャリアのリアル~
■ 小笠原 由佳氏 プロフィール
20年以上にわたり国際金融、政府開発援助、企業成長支援を通じた社会的インパクトと経済的価値の創出に従事。
現在はインパクト志向宣言 理事長代理、株式会社藤村総合研究所 取締役を務める他、オリエントコーポレーションの取締役、RYODENおよび日清食品ホールディングスの社外取締役など多方面で活躍。
過去にはJICAでの開発援助やベイン・アンド・カンパニーでコンサルタントおよび社会貢献マネージャーを経験。東京大学で国際関係論を学び、米プリンストン大学で修士号を取得。
介護・子育て経験を活かし、ダイバーシティ推進にも積極的に取り組む。
小笠原さんのホームページ




