【地方創生 転職のリアル】元外資ITコンサル女性が広島のへ移住!「自立したまちづくり」への挑戦

「皿洗いでも何でもやっています。」
当社からのご紹介で2024年5月に広島県神石高原町でまちづくりに取り組む株式会社マサーントに入社された元外資ITコンサルタントの女性は、そう言って笑っていました。
私たちは、1泊2日で広島県神石高原町を訪れ、クライアントであるマサーントの事業と彼女の活動に触れて参りました。
ITコンサルタントとして働いていた彼女が、東京を離れ、人口8000人に満たない町に移住し、地方創生の最前線に飛び込んだ理由とは何だったのでしょうか?
そして、彼女が今、どのような日々を送っているのか――。
地方創生などの社会課題に関心を持ち、転職先を探している方々にとって、彼女の物語はきっと大きなヒントになるはずです。
そして、地方創生や社会課題に向き合うこと、また地方に移住することの「リアル」を知ることで、あなたの背中を押すきっかけになればと思います。
地方創生の最前線へ飛び込む
「今の仕事を辞めたくて仕方がない訳ではない、でも仕事が楽しければ人生はもっと楽しくなるのではないか。」
仕事を仕事と割り切り、日常に折り合いをつけながらも、そんなことが頭に浮かびはじめ、様々な転職支援サービスの検索を始めた彼女。
複数のエージェントの方からコンサルタントの能力を活かせる求人の紹介があったようですが、もう一歩決め手に欠くという感覚だったようです。
「社会貢献 転職」などの検索ワードで当社のことを見つけて頂き、当社からご紹介した企業の一つがマサーントでした。
「広島かぁ、、、」と物理的にも、心理的にも距離を感じる一方、事業内容としては、相当にしっくりくると感じていたそうで、「自分の住んだことがないところに飛び込むことが好き」大学生の頃から海外ボランティアなどに関わっていた時から芽生えていた志向性も後押しし、マサーントへの転職、つまり神石高原町への移住を決断されました。
実はこの時、当社との面談で、「結婚を決めているパートナーがいるので都内から通える範囲で」とのご希望を伺っておりました。
勤務地が希望とは違うものの(いや、違いすぎる)面白い会社があります、とマサーントをご紹介させて頂きました。
(キャリア面談においては、その方のご希望の外にある案件もご紹介することで、ご自身も気づかれていない“想定外の本音”が引き出されることがしばしばあります。)
そして何と、パートナーの方も結果的にマサーントに転職、共に神石高原町に移住することになりました。
人生って何があるかわからないものです。
みなさまの壮大な物語に関わることが出来、転職エージェント冥利につきます。
この話の詳細はまた別の機会させて頂こうと思います。
マサーントが挑む地方創生の形
改めて、彼女が転職先として選んだのは神石高原町でまちづくりを行っている「マサーント」という会社でした。
この会社は、人口8000人未満の広島県神石高原町に新しい価値を生み出すことを目指しています。
マサーントが手掛ける事業は多岐にわたりますが、その中心には「地域資源の活用」があります。
そして、従来の地方創生とは異なり、補助金などに頼らない独自のビジネスモデルを構築している点が特徴です。
このことこそが、彼女が転職を決めた最大のポイントなのです。
まちおこしを本当の意味で“自分たちの手で完結させるおもしろさ”彼女はそこに惹かれました。
1. 高品質な和牛の生産
神石高原町の豊かな自然環境を活かし、高品質な和牛「神石牛」の生産を行っています。
単に牛を育てるだけでなく、血統管理や飼育環境の整備に力を入れることで、他にはない美味しい牛肉を作り出しています。
地元の農家や専門家と連携しながら、地域ブランドの確立を目指しています。
2. 観光・地域活性化プロジェクト
マサーントでは、神石高原町を訪れる観光客を増やすための施策も展開しています。
古民家をリノベーションした宿泊施設の運営や、地域の自然や文化を活かした体験型ツアーの企画など、地域の魅力を全国に発信しています。
3. 医療プロジェクト(産婦人科クリニック、助産院の誘致)
年間出生数がわずか20名程度の神石高原町に産婦人科クリニック、助産院を誘致します。
これは神石高原町の未来を描く事業です。
4. 地元特産品の開発・販売
地元の農産物や加工品を活用した商品開発にも力を入れています。
神石高原町ならではの特産品を全国に届けることで、地元経済の活性化を図っています。
▶︎ 神石牛:バイデン大統領をもてなした融点16℃の和牛
▶︎ ジビエ:年間3,000頭、イノシシ出荷数日本一
▶︎ 星居山:645年、天皇が流星を見るために滞在し命名
▶︎ 神石高原温泉:pH10.2、日本TOP20の温泉
▶︎ 帝釈峡:日本で唯一8種類もの蛍が群生
▶︎ 高原野菜・果物:標高500mの気候で栽培したトマト、シャインマスカット、レッドキウイなど
▶︎ こんにゃく:在来種日本一の産地
▶︎ 雲海:大パノラマ絶景の雲海スポット多数
▶︎ 山城:かつて毛利元就、水野勝成が治めた地
▶︎ 神楽:広島県無形民族文化財
など、多くの神石高原町の魅力を全国にマサーントは発信されています。
ぜひ一度、神石高原町を訪れてみてください!
日本の地方の衰退を食い止める挑戦
日本全体もそうですが、特に地方は、人口減少や高齢化によって急速にその環境を変えています。
そんな中、マサーントの取り組みは地方の衰退を食い止めるための重要な一歩となっています。
補助金に頼らず、自立したビジネスモデルを構築することで、持続可能な地域社会を目指しているのです。
さらに、移住者を受け入れ、新しいコミュニティを作ることで、地域の人口減少に歯止めをかけようとしています。
「地方を救うためには、外からの力と内からの力の両方が必要。」
これは、マサーントが大切にしている考えの一つです。
地域で生産したものが、都市部で消費される。
都市部からの移住者が地域に新しい風をもたらし、地元住民と共に未来を切り拓いていく。
そんな姿勢が、地方創生の新しい形を示しています。
自身では想定していなかったキャリアへの飛び込み
移住を決断し奮闘する彼女のように、全く異なるフィールドに飛び込むことは確かに勇気が必要でしょう。
しかし、それは同時に、新しい世界を切り拓く面白さでもあります。
彼女の重要なミッションの一つが、和牛の生産です。
血統管理や飼育環境の調整を行い、旨味や脂肪の融点の最適化を目指しています。
もちろん未経験の仕事ですが、日々知識をみにつけ、“神石高原町から至高の和牛を届ける”ために試行錯誤を繰り返しています。
また、古民家再生プロジェクトである宿泊施設の「阿下迎賓館」で毎週のようにゲストをお迎えし、皿洗いだってなんだってやります。
マサーントは事業立ち上げのスピードを重視しており、社員が総出となり、現場をフォローします。
“明確な役割やジョブディスクリプション”などにとらわれることなく、日々の挑戦を彼女は楽しんでいます。
きっと本人も全く想像していなかったキャリアではないでしょうか。
「まさか移住するとは思っていませんでした。」と語る一方で、移住の決断は「留学するくらいの感覚でした。」と割とあっさりとしていた彼女の姿勢から、幸せなキャリアづくりのヒントをもらえた気がしました。
「自分が想像していなかったけど、ワクワクする選択肢に飛び込んでみる。」そんな勇気こそが、人生に豊かな彩りを与えることを教えてくれるとても素敵な事例だと思います。
彼女はこうも言ってくれました。
「“すべき”ではなく“したい”を大切にしたからこそ、今のキャリアに辿りつくことが出来ました。」と。


移住したご夫妻と当社代表の高藤(真ん中)
※マサーントが手掛ける宿泊施設「阿下迎賓館」の前で。
プロビティ・グローバルサーチで新しい一歩を
私たちプロビティ・グローバルサーチは、地方創生をはじめとする社会課題に本気で関わりたいと考える方々のキャリアの支援をさせて頂いております。
地方創生をはじめ、社会課題に向き合う仕事は決して楽な道ではありませんが、その分大きなやりがいと成長を実感出来るフィールドです。
この記事を通して、私たちが皆さんにお伝えしたかったのは、自身では想定していなかったキャリアに飛び込むことの面白さです。
これまでの経験やスキルを活かしながら、全く新しい分野で挑戦することで、キャリアの可能性は大きく広がります。
それは人生がより豊かになることと同義だと考えています。
もし、仕事を通じて社会を良くしていくこと、そして自分の人生をより面白く豊かにしていくことに少しでも関心がある方がいれば、ぜひ私たちのサイトをご覧ください。新たな一歩を、私たちが後押しします。




