【幸福度研究】ソーシャルグッド転職における主観的幸福度の向上


監修:米良 克美(めら かつみ)
経営学修士(MBA)・博士(薬学)
株式会社WeLLBeING代表取締役
グロービス経営大学院教員
リーダーシップ領域の講師として企業研修などに登壇する傍ら、個人としてはパーソナルコーチ、音声配信メディアVoicyのパーソナリティとしても活躍する。
また、幸福学研究の第一人者である前野隆司教授のもとで「働く社会人のウェルビーイング」について研究を行っている。
「仕事を通じて社会に貢献できている」──この実感が、人の幸福度を大きく変えることをご存じでしょうか?
弊社、代表取締役の高藤悠子は、2024年12月に開催された日本ポジティブサイコロジー医学会学術集会において、株式会社WeLLBeING代表の米良克美氏と共同で、「ソーシャルグッド転職サービスによる主観的幸福度の向上」に関する研究成果を発表いたしました。
その結果、社会的意義を重視した「ソーシャルグッド転職」をした方々は、幸福度が平均で 約2倍 に向上することが明らかになりました。
調査概要
対象:当社サービスを通じて転職した20名
方法:Cantril ladder(0〜10段階の幸福度尺度)で転職前後を比較
分析:転職動機や職場体験と幸福度の相関を検証
主な結果
転職前の平均幸福度:4.65
転職後の平均幸福度:8.35
転職後の主観的幸福度は、転職前と比較して統計的に有意な上昇を示しました(平均値:4.65 → 8.35, p < 0.01)。
特筆すべきは、このスコアが2024年版『世界幸福度報告書』において世界最高値を示したフィンランド(平均値:7.74)をも上回る水準に達した点です。
このことは、ソーシャルグッド転職が国際的な幸福度基準を超える効果を持ち得る可能性を示唆しています。

幸福度に強く影響した要因は:
✔️ 仕事の楽しさ(相関係数:0.78)
✔️ スキル活用感(相関係数:0.75)
✔️ 自己成長の実感(相関係数:0.69)
一方で、「年収」や「働き方の柔軟性(例:リモートワークの可否)」といった要因については、主観的幸福度との相関は弱く、統計的にも有意な寄与は確認されませんでした。
すなわち、経済的報酬や勤務形態の柔軟性よりも、仕事そのものの充実度や成長実感といった内的要因が幸福度向上に対して主要な規定因となっていることが示唆されます。
調査アンケートより
・自分の興味関心と直結する仕事に就き、毎日を肯定的に生きられるようになった(30代・女性)
・人生の多くの時間を使う意義と使命感を感じ、誰にでも誇らしく語れる(40代・女性)
・お金だけでなく“縁や思いやり”を感じられる環境が、人生の彩りになっている(調査コメントより)
米良克美氏のコメント
今回の調査結果について、株式会社WeLLBeING代表の米良克美は以下のように述べています:
先行研究では、日本の就業者9,818名を対象とした調査において、転職回数が増えるほど主観的幸福度が低下する傾向が確認されてきました。
特に「職場や仕事内容への不満」や「人間関係の不調和」といったネガティブな理由による転職は、幸福度の低下と強く関連していたことが明らかになっています。(詳細は下記参照)。
一方で今回の調査では、社会貢献性や自己成長の実感を伴う“ソーシャルグッド転職”が、転職後の幸福度を有意に高めるという結果が得られました。
これは従来の「転職は幸福度を下げる」という一般的な傾向に対し、ポジティブなキャリア選択が幸福度を大きく引き上げ得ることを示した点で極めて興味深い知見です。
本調査は、ソーシャルグッド転職をはじめとする「個人の価値観や社会的意義と適合した前向きなキャリア選択」が、転職者の主観的幸福度を有意に向上させ得ることを示す好事例であると感じています。
これは、転職という出来事そのものよりも、転職の動機や職務との適合度が幸福度の変化を規定する重要な要因であることを裏付ける知見といえます。
副業および転職が主観的幸福度に与える影響 ~日本で働く社会人を対象としたキャリアアンケート調査から~,グロービス経営大学院紀要 2024年3巻 p. 119-125
弊社代表 高藤のコメント
ソーシャルグッドな転職を選択される方々は、一般的な転職と比べて、仕事への満足感や日々の充実度が高いという感覚を以前から持っていました。
今回の調査によって、その感覚が単なる印象ではなく、統計的にも幸福度の有意な向上として確認されたことは非常に意義深い結果です。
特に、転職後の幸福度が国際的な幸福度指標を上回る水準に達したことは、ソーシャルグッドなキャリア選択が「働く個人のウェルビーイング向上」に資することを科学的に裏付けたといえます。
この知見は、従来の「転職=リスク」「転職回数が増えると幸福度が低下する」といった一般的な通念を覆すものであり、社会的意義や自己成長を伴う前向きな転職こそが幸福度を押し上げる決定要因になり得ることを示しています。
私自身もこの結果を受け、今後さらにソーシャルグッド転職の価値を広めていく使命を強く感じています。
プロビティ・グローバルサーチ株式会社の特徴
プロビティ・グローバルサーチは、社会課題の解決に挑む企業や非営利組織と、社会的意義のある仕事を志向する人材とを結びつけるソーシャルグッド特化型の転職エージェントです。
当社が提供する独自の「ソーシャルグッド転職サービス」では、スキルや経験だけでなく、候補者の価値観・ビジョン・志向性までを三次元的に評価する「ジャストフィット・マッチング」を実現しています。
これにより、単なる採用マッチングを超え、働く人の幸福度の向上と社会インパクトの拡大を同時に目指しています。
また、2012年の設立以来、転職・採用1件ごとに貧困地域の子どもたちへの教育支援を行う仕組みを10年以上継続してきました。
この取り組みは「一人のキャリア選択が、もう一人の未来を切り拓く」という循環型の社会貢献モデルであり、才能を生かす機会を広げるとともに、持続可能な社会づくりに寄与しています。(支援プロジェクトの概要はこちら)
・Forbs JAPAN NEXT100 ~ 100通りの世界を救う希望 ~ 選出
・東京都APT Women 第5期 / 経済産業省 J-StarX シリコンバレー派遣プログラム選出
・インパクトスタートアップ協会 正会員
