Human Augmentation

2022.01.26 お知らせ

COOのFです。

今回はHuman Augmentation(人間拡張)について書きたいと思います。
身体能力の拡張、存在の拡張、知覚の拡張、認知能力の拡張からなっている人間と一体化して能力を拡張させるテクノロジーのことを指します。

僕がこの言葉、概念に初めて出会ったのは、2019年9月に開催された”渋谷,超福祉の日常を体験しよう展”というイベントで一般社団法人超人スポーツ協会の安藤さんという方とお話をした時でした。

彼らは、テクノロジーを使い人間の能力を最大限拡張し、誰もが楽しめるスポーツを考案されています。安藤さんが福祉の文脈で熱く語られてました。

例えば、健常者と身体障害者のそれぞれの身体能力が、健常者の1に対して身体障害者が最先端の福祉器具(車椅子や義足など)を使っても0.5だとした場合を考えてみて下さい。
正攻法のアプローチとしては、車椅子や義足などの改良により、身体障害者の能力を健常者のそれに近づけることでしょう。ですが、超人スポーツ協会のアプローチは人間の能力をベースラインから大幅に引き上げた状態で参加できるスポーツを開発しているのです。これにより、健常者の身体能力10、身体障害者の能力9.5のようなことが起きます。

テクノロジーの進歩によりHuman Augmentationのスケールが大きくなればなるほど、”障害”という概念がそれほど意味を持たなくなる世界に近づくことが期待されます。

現在はオリンピック、パラリンピックという分け方になっていますが、今後は、生身部門、Human Augmentationの技術を使用した部門、混合部門などとなってくると面白いと思います。

車椅子や義足の進歩も目を見張るものがありますが、これらにもHuman Augmentationの技術が応用されていくでしょう。上記のイベントで、乙武洋匡さんが、「24時間テレビなどで、身体障害者の子供が登山に挑戦する。といった企画があって皆さん感動をされるんですが、もっとテクノロジーの進歩に注目して欲しい。」と言っていたことが印象的でした。

また、福祉の一丁目一番地である”介護現場”にも優秀な介護ロボットなどが導入されることにより、介護士の方が人間の本来得意とする、利用者さんの話にしっかりと耳を傾け、共感を持って接するという真にありたい介護現場が実現されることでしょう。

身体の拡張のみにフォーカスして来ましたが、認知機能や知覚機能、いわゆるニューロのダイバーシティと言われますが、まだまだ、生まれ持った脳機能などの特性や障害ゆえにマイノリティの方にとっては現代社会は様々な制約で満ちています。

障害とはその人に属する特性であるとする医学モデルの考えから、その人と社会の間に存在するという社会モデルへと考えが移行してきていますが、Human Augmentationにより様々な制約が解除されることに期待せずにはいられません。

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