eumo創業者 ’’新井和宏’’さんとの出会い

2021.09.21 お知らせ

COOのFです。

「たまたま書店で手に取った本がきっかけで、生き方が少しずつ変わってきた。」

生きていく中で、森羅万象から影響を受けてるという感覚を、割と自分は強く持っている方だと思いますが、今から4年ほど前でしょうか、「持続可能な資本主義(著:新井和宏)」との出会いは僕にとって特別に大きなイベントでした。

製薬会社のCSR推進部に所属している今でこそ、’’持続可能’’という言葉が自身にとって身近なものとなっておりますが、もともとは、特段、気候変動や人権問題などの社会課題にそれほど関心が高くない自身が何故か、’’持続可能’’という言葉に自然と導かれ、その本を手にしたという感覚でした。

当時から、著者の新井さんはNHKのプロフェッショナルで特集をされていたので熱狂的なファンの方も多くいたのでしょうが、世間の動きにそれほどアンテナの高くない僕は全く存じあげなかったのです。

当時の僕は、関西で医療用医薬品の営業(所謂、MRという職業です。)として日々、病院のお医者さんに自社の医薬品の宣伝をしておりました。

ですが、患者さんの命を救いたい、とか、未だ最適な治療法が見つかっていない患者さんに新たな治療法を届けたい
などといった、崇高な志は全く持っていませんでした。
崇高な志を持つことが営業としての役割(与えられた目標の売上を達成すること)を遂行することの障壁になるとさえ思っていました。

売上確保のために、過剰な量の薬を使ってもらったり、症状が安定していて薬を変える必要のない患者さんの薬を自社の薬に変えてもらったり、月末や期末に数字が足りない時は、薬局にお願いして過剰な在庫を買ってもらったり。(実態のない売上を作っていたわけです。)


営業成績は常にトップクラスだった為、こんなことをする僕のことを会社は非常に高く評価してくれましたし、僕も自分のやっていることの馬鹿らしさに気づきつつも’’世の中そういうもんだ、清濁併せ飲まなきゃ生きていけない’’と自分で自分を納得させていました。

そんな中での、件の本との出会いでした。

新井さんは、元ブラックロック(世界最大の資産運用会社)ジャパンのファンドマネージャーとして多額の資産を運用されていました。しかし、リーマンショック、ご自身の体調不良を機に、現行の資本主義の副作用とでも呼ぶべき現象(格差の拡大の助長など)に気づき、’’社会にとって本当に良い会社を応援する(良い会社に投資する)’’というコンセプトの鎌倉投信を立ち上げられました。

資本主義から生じる副作用や、鎌倉投信を立ち上げた新井さんの想いなどが、その本には書かれており、
’’清濁併せ飲まなきゃいけない’’と自身が思っていた背景には、そういった社会の構造的な問題があるのかと、大きな衝撃を受けました。


自分は日々、ガソリンを撒き散らして(MRの仕事は車での移動が基本です)、地球環境に負荷をかけ、何か世の中のためになることをしているんだろうか・・・と自問しましたが、なかなか、これまでの行動を変えることは出来ませんでした。(だって、会社から評価されなくなることが怖いんですもん・・・)


この頃から、鎌倉投信の商品である「結い2101」の購入を始めました。(この商品なら損をしてもいいと思ってました。)これは、贖罪のような感覚でした。

それからしばらく経ち、営業からCSR推進部に異動(それに伴い職場も東京へ)することになりました。
これまでの僕の仕事へのスタンスとは真逆の、会社の社会的責任を考え、企画に落とし込んだり、社会に発信する仕事に就くことになりました。
(自分には似合わない仕事だなぁと異動当初は複雑な気持ちでした。)


そういった領域で仕事をしていると、ESG投資やSDGsなどに関心を持たざるを得なくなり、そこで、新井さんがeumoという共感資本社会というものの実現を目指す新しい会社を立ち上げ、eumoというコミュニティ通貨を流通させる事業を開始されたことを知りました。


eumoとは、期限が切れるお金、ギフト機能がデフォルトでついているお金、想いが循環するお金・・・


最初はあまり意味が分かりませんでしたが、お金の’’貯められるという機能’’が人間の’’弱さ’’(あえて弱さと呼ばせてください)と掛け合わせられることにより、SDGsなどで議題に上がっているような諸々の問題を生んでいるのだということが分かってくるうちに通貨のeumoのコンセプトも徐々に腹に落ちてきました。

そこからは、共感資本社会を創造するための基礎的な知識を学び、自身の認識を拡大することを目的として設計されたeumoアカデミー基礎講座、新井さんから直接、通貨について学べるeumoアカデミー通貨デザインコースを受講しました。


座学で多くのことを学んだことも大きな財産ですが、その他にも、eumo加盟店の登録に携わらせて頂いたり、共に学んだ仲間と様々な活動をしたりと、eumoとの関わりを機に、大袈裟に言うならば、少し生き方が変わったような気がします。

PGSの活動に関わらせて頂いたのも、eumoでの出会いに端を発しております。まだまだ、経済合理性の中で、自身の意にそぐわないような決断やそれに伴う行動をしなければいけないことも多いことは事実です。


ですが、旧パラダイムを抜け出し、少しでも社会にとって意味のあることをやりたいと思える仲間と出会え、共に活動が出来る。


自身にとってeumoとはそんなプラットフォームなのです。