土地に愛されたければ土地を愛せ

2025.02.19 マガジン

人口減少に伴う採用難の昨今、給与引き上げのニュースで賑わう。
また、Indeed社のプレスリリースによると、「転勤なし」を謳った求人が3年で約5倍に増加したとのこと。
「転勤あり」は採用にとってネガティブに働く、「転勤」はあまり良きものではないという機運が社会に醸成されている。

確かに転勤を避けたい気持ちは分かる。
子育て中の夫婦を想定した場合、どちらかが転勤になりと、単身赴任になることは親にとっても子どもにとっても、好ましいとは言いづらい状況だと思う。

ただ、新卒の配属含め自分が想定していない土地で働くことの面白さは確実にある。
新卒の配属と書いたが、全国に事業所があるような会社に入社すると、入社早々に「配属ガチャ」に直面する。
都内の本社に配属される者もいれば、全く想定をしていなかった地方の営業所や工場に配属される者もいる。
後者による嘆きをtwitterなどで見ることがしばしばある。
都内で颯爽と働くことを夢見ていた者からすると落胆するのかもしれない。
いくら嘆いても現実は変わらない。
月並みな言葉だが、与えられた環境で楽しむしかない。
会社によっては、最初に配属された事業所や支店が出世競争に影響を与えることもあるだろう。
ただ、人生は長い、本来そんなことはどうだっていい些末なことだ。

土地にはその土地でしか味わえない楽しさがある。
それは東京のど真ん中であろうと、人口規模が数万人の町だろうが同じである。
あるものはあるし、ないものはない。
人はどんな状況でも、自身の内面をひらくことさえできれば、五感で感じるものを受け入れ、愛することが出来る。
そう信じている。

自身も地方を転々とした経験がある。
そこで触れた人、酒、土着の風習、祭り、全て血肉となり、人生を彩ってくれた。
いや、彩ってくれている。現在進行系で今の自分を支えてくれている。

キャリアの語源は馬車の轍と言われている。
世間一般ではキャリアという言葉は未来に向けて積み上げていくもの、という意味合いで使われている場合が多い。
しかし、本来その言葉は過去に向けられた意味合いを多分に含んでいる。
不確実な未来を憂うよりも、今を全力で味わい尽くし、鮮やかな轍(もちろん、苦しいことも辛いことも含めて、鮮やかと表現している)を刻んでいきたいものである。
このことは単なる職業人としてではなく、人間としての奥行きを形成してくれる。
奥行きとはつまり魅力である。

「土地に愛されたければ土地を愛せ」埼玉→広島→奈良→福島→岩手と全国を渡り歩いた、僕が20代の頃の上司の言葉だ。

年度末から年度はじめにかけ、世間では異動や配属に関する様々な感情が溢れ出てくる。
この文章が絶望している誰かの勇気になれば嬉しい。

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