なぜ、障害に興味を持ったんですか?

2025.02.17 マガジン

仲良くしてもらっている大学の先生(心理学部の教授で専門は障害)がいる。
たまに先生の研究室を訪れ、最近の出来事や関心事などを共有している。
ゴキブリ、サウナ、共生社会、人の意識、最近の大学生の生態、二郎系、様々な話題が小気味良く移ろっていく。
一通りすれば、立川の居酒屋に繰り出すことが多い。

魚肉ソーセージの天ぷらが250円の居酒屋にて、その日は珍しく先生の過去についての話題になった。
どうして障害に興味を持ち、その道を志したのかを聞いてみた。
「中学生の頃に人間についてよく考えていて、哲学者とかの’’ヒトとは〇〇である’’みたいなのに興味があったんですよ。
で、賢い人たちのヒトの定義みたいなものが、障害者がいることを想定されずに提唱されているような気がして。それで、興味を持っちゃったんだよね。」

それなりに面白い回答が返ってくることは予想していたが、予想の斜め上をいく回答であった。
で、彼は、中学生のころに出会ったこの衝動に駆られるままに、中学生の間に筑波大学の障害に関する博士号を取ることまでを決めて、高校入学後は筑波大学に入るための勉強だけをして、それ以外は自分の好きな本を読んで過ごしていたという。
で実際に、中学生の時に思い描いた通りの学位をおさめ、今に至っている。
もう5年の程の付き合いになるが、彼の口から「障害者の力になりたい。」とか「障害者の生きやすい社会を作りたい。」などという言葉を聞いたことがない。
いつも嬉々として、「こんな支援方法はどうかな?」とか「支援者にこんなツールを使って研修をすれば、僕の言いたいことが伝わるかな?」などを相談して下さる。
起点はいつも自分の好奇心、探究心。
誤解を恐れずに言えば、いくばくかの狂気すら感じる。とても刺激的な会話である。

社会課題に対峙する人の中でごく稀に、こういう人がいる。
「社会に良いことをしよう!」と声高に言う訳でもなく、「今の社会の構造が許せない!」と怒りをまき散らす訳でもなく、いつもニヤニヤしながら、楽しそうに課題に対峙している。
そういう人のエネルギーの持続力は、他の人のそれとは明らかに異なっている。
直接会ったことは一度しかないが、ラオスの障害者の支援をしている女性にも同じ雰囲気を感じた。

人は色んなきっかけで社会課題に対峙することを欲する。
それが若年期にくることがあれば、一生来ない人もいる。
欲求に従い行動する人もいれば、何らかの理由があり行動にまでは至らない人もいる。
ありきたりな言葉だが、本当に人は面白い。
人の認知/認識と行動の関係は面白い。

今回、話題にした彼は障害児の支援の他にも、害虫駆除の会社の採用支援(人気がなくて人の採用が本当に大変らしい)、高齢化した日本の受刑者の認知機能低下防止のためのアプリ開発、東ティモールの少年院の立ち上げなどに身を投じている。
全然視聴数が伸びないサウナに関するYouTubeチャンネルもやっている。
明るいサイコパス味を帯びているが、その眼差しの先には確実に優しい世界が広がっている。

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